きのうは、盆点のお点前をさせていただきました。
九月もおしまいだというのに、暑かったです。撫子の模様の入ったグレー地の小紋と深い紫に鳳凰柄のお気に入りの名古屋帯で出かけました。
この日のお花は、貴船菊、ススキ、ホトトギス、秋海棠。名残の花というのでしょうか。宗全籠に少し似ている安定感のある篭に活けられていました。
全体が見えなかった盆点のお点前ですが、ここにきて、やっと点と点がつながりはじめた感じでしょうか。
きのうも「花月」のお稽古を二回もさせていただく。お茶三昧の一日となりました。
お菓子も先生の手作りの栗のお菓子。ブランデーの香りがする、とってもおいしいお菓子でした。
家に帰り着いたのは、夜の10時前。来週は、十月に入るので、単衣の着物から袷の着物に変わります。わたしは、社中の人たちの間で話題になった銘仙の着物(友だちのお母様からお譲りいただいたもの)を着ていく予定です。
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夏の着物も九月でおしまい。いつも夏になる前に思い浮かぶのが太宰治の「晩年」です。
死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反(いったん)もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目(しまめ)が織りこめられていた。これは夏に着る着物である。夏まで生きていようと思った。 (「葉」より)